【経済指標を使いこなす⑤】GDPの内訳とカントリーリスクという化け物
こんにちは、ペンギン男です🐧
前回記事↓では、GDPや格付けという、経済指標としては情報量が多く、使い勝手のよいものを取り上げました。
使い勝手がよいというのは、それらの経済指標だけ掲載しておけば、なんとなく箔がつくという意味です💦ただし、その中身も、なかなか雄弁なので、ここで触れておきたいと思います。
あと、今回は「カントリーリスク 」という言葉をよく使います。これも経済指標というカテゴライズはあまりされないかとおもいますが、結局、事業計画を策定する上においては、経済指標とほぼ同じ使い方をすることになります。カントリーリスクとは、主に、戦争、政変、為替相場などのリスク要因を指します。
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【目次】
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GDPの内訳→産業構造
GDPという経済指標は、やはり示唆に富む数値。そうした経済指標を分解してみることで色々、役に立つ情報を与えてくれます。
例えば、こうした経済指標を次のようなものに分解して考えてみます。
産業毎のシェアを考える
自動車メーカーや鉄鋼業などの製造業は盛んながら、農業などの第一次産業は縮小気味とか。産業ごとのシェアという経済指標を知ることで、その国の経済発展度合い、そして、攻め方にヒントを与えてくれます。
アフリカの例をとると
例えばアフリカだと、まだまだ、第一次産業の比率が高く、サービス産業の発達を促すような個人向け通信機器などは、時期尚早。まずは、食料や衣服、医療物資のほうがマーケットありそう、などの判断例が考えられます。もっとも、アフリカあたりだと、こうした経済指標の信頼性の問題ありますが、何もないより「公表されているものが存在していること」をまず評価するというスタンスが正しいようです。
GDPの内訳→消費構造
産業別という経済指標に続き、今度は消費面から見ます。活発な個人消費は経済を活性化させるので、これも雄弁な経済指標です。
日本の水準
例えば日本ですと、GDPの約六割(300兆円くらい)は個人消費。アメリカだと七割くらい。
個人消費の見立て
あまり経済が発達していない国で、あまり個人消費という経済指標が高いと、未来のための投資や、外貨を稼ぐための輸出が弱い可能性を心配する必要がでてきます。
国レベルでの判断は、本当は、誰にも判断出来ない!?
カントリーリスクとは
一度、クーデターやデフォルトと言われる国家破産が起きてしまえば、一般の民間企業では何も出来ず、手をこまねいているしかありません。このようなことが起きるリスクをカントリーリスクと呼んでいます。
(第2項ご参照ください。第1項目は、PC周りの「デフォルト」の説明。名称は同じですが、内容は全然違います💦)
経済指標そのものではありませんが、世界情勢が流動的な今、アンテナは張っておくべきか、と。
カントリーリスクは、リスク判断の第一歩
本当にカントリーリスクに見舞われたら、大きな損害につながりますし、折角、有望なビジネスチャンスであるにもかかわらず、ここへの注意が薄いと、社内で、スルーされがちな運命を辿らないとも限りません。他の重要な経済指標同様、きちんとウォッチを。
しかしカントリーリスクはコントロール出来ません
ですので、本当に、その国と仕事をして大丈夫か!?という判断は必要です。
しかし、クーデターやハイパーインフレなどが、ほぼ確実にくると分かれば、誰も近寄りませんし、そんなこと、まず、分かりません。
では、どうするのか
ですので、このフィールドは、あまり深掘りせず、さりとて、軽視しているような印象を与えないために、GDP周りの必要最低限の情報をきちんとおさえ、
- ✖︎ 大丈夫!と言い切るのではなく
- ○ 現時点で、緊急性の高いリスク要因は見当たらない
くらいで、仕上げて頂いたほうが、現実的かと考えます。
なお、カントリーリスクについては、大っぴらに「あなたの国は危ないよ」という情報を公開するわけにはいかないでしょうから、あまり手頃なデータは出回っていないかと思います。
まずは外務省の情報↓は、やはり要チェックですね。
それから、他にはコントロールリスク社などのセキュリティを売りにしている企業からの有料ベースでの情報入手になるかと思いますが、きっと、お高い💦
まとめ
以上のストーリーをまとめると、次のようになるか、と。
- GDPは代表的な経済指標。
- GDPという経済指標は分解してみるのも理解促進に役立ちます。例えば、第一次産業しか発達していなかったり、個人消費ばかり高いシェアだと、その国の経済力が弱い懸念あります。
- なによりも恐ろしいカントリーリスク。戦争、政変、為替相場など、ビジネスに大きく影響するものの、民間企業では対処できないもの。
- しかしながら、海外とのビジネスでは、カントリーリスクが発生した場合の損害額が大きいことを踏まえ、最初に評価しおくべき。
次回
次からは、国レベルの視点から少し離れます。より具体的なビジネスに近しいフィールドでの、トピックをお話ししたいと考えます。
また、次回。
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