台風を深掘り【百万人の天気教室①】台風の眼という不思議。真ん中だけ静寂な理由
こんにちは、ペンギン男です🐧
つい最近、猛威を振るった台風ですが、再来間近とか💦またまた台風のトピックをチョイスしました。
前回の記事↓
アジア規模で「台風委員会」まで存在し、なかなかに、組織的な動きも見せる気象業界。
いつものルーティーンを、きっちりこなすのが重要そうな業界ですが(要は、大災害をそのものに対処するという大味な仕事ではなく、大災害をします予兆がないか、に常に神経を尖らせていることが重要という趣旨)、やはり大イベントを中心に動いてしまうのは致し方ないことでしょう。予算なんかも、それのほうが、つきやすそうですし💦
引き続き本書↓の台風部分を優先して読んでいきます。
出典はアマゾンさん。
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【目次】
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台風の眼って、そう言えば
今までなんとも思いませんでしたが、そういえば、どうして「目を向け眼」なんていう、無風地帯があるのでしょう。思い違い?!
P-165
風速は、中心に近づくにつれて急速に強くなるが、中心から20〜50kmの距離のところで最大となり、これより内側では弱くなっている。
気象学的にも、同じ認識のようです。
台風の眼が無風の理由
台風中心よりも眼のまわりで風速が最大になるのは次の理由によるそうです。
①台風は概ね円形に回転していますが、中心に近づくと回転する速度は増大する
→物理で言う角運動量保存則です。フィギュアスケートなどで、回転の演技の時に、広げていた手を段々内側に移動させると、スピンのスピードが上がりますよね。あれと、同じ原理だそうです。
角運動量保存則(かくうんどうりょうほぞんそく)とは - コトバンク
②ある一定の速度に達すると、回転する空気塊に働く遠心力が強くなり、空気塊は、それ以上中心に近づけない
→だから、ぽっかり無風のエリアが出来るのですが、その代わり?、ちょっと外に出ると暴風雨のようですね。
台風の素=熱帯低気圧の発生の仕組み
P-163
熱帯低気圧は、次のように発生すると考えられる。まず、下層大気が高温で十分湿っていることである。海面水温が26〜27℃以上の暖かい海域では、蒸発が盛んであり、下層の大気はよく湿っている。
なんと、海面水温が25℃を超える地域もあるのですね。そして
こうして湿った空気が
- わずかなきっかけで上昇↓
- 水蒸気が凝結↓
- 積雲や積乱雲ができる↓
- 上昇気流が起こる↓
- 積雲や積乱雲が発達↓
- 水平スケールで10km程度の積乱雲がいくつも発達↓
- それらが集まって100kmを超える熱帯低気圧が発生
そうか、熱帯低気圧というのは、100kmレベルの存在なのですね。空気の塊が、このレベルで、水になったり蒸発したり、はたまた、回転したりするのですが、たしかに、暴力的なパワーにはなりますね💦
まとめ
以上のストーリーをまとめると次のようになるか、と。
- 台風の中心になるほど風雨は強くなりますが、それはフィギュアスケートと同様、回る半径を短くするとスピードがアップする角運動量保存則ゆえ。
- 台風の眼では無風。それは、回転する空気塊にかかる遠心力が強く働き、まわりの空気塊がそれ以上近づけないから
- 熱帯低気圧はすぐには出来上がらない。あったかい海水が水蒸気になるところから、いくつものステップを経て、大きくなる。
また、次回。
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