「キャッシュ」だと赤字💦「利益」だと黒字😊【ざっくりわかるファイナンス①】企業運営の金庫番のナレッジ
こんにちは、ペンギン男です🐧
「ファイナンス」と聞くとスコシ、「企業財務」と聞くとカナリ、難しそうで、しかも企業経営に直結しているような「ビジネス・エリート感」が思い浮かびます。
ものは言いようですが、少なくとも私にとって、ファイナンスもしくは企業財務は「企業運営や事業推進のために、企業が行う、お金のやりくり」です。
そう、「金庫番」みたいなイメージです。それをこの本↓が解説。
ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)
- 作者: 石野雄一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: Kindle版
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出典はアマゾンさん。
ファイナンスに関する記事は最近にもアップしています↓
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【目次】
- ファイナンスって?!
- アセット・ライアビリティ・マネジメント
- 利益とキャッシュの違いが浸透しない
- では、利益とキャッシュはどう違う?
- どこかおかしい「キャッシュ」ベースの儲けの計算「結果」
- 「キャッシュ」ベースの儲けの計算の問題点を克服する「利益」
- 「利益」と「キャッシュ」が乖離してくるのは、それはそれで問題ですが💦
- 企業関係者を惑わせる「利益」と「キャッシュ」の乖離
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(ページネーションはkindleでの表記に従います)
ファイナンスって?!
No.31
ファイナンスとは、ひと言でいうと、「企業価値最大化」をはかるための意思決定に役立つツール(道具)。その意思決定には、投資・資金調達・配当の三つがあります。
この文章でも伝わる通り、ファイナンス周りって、なんだか、クレバーでセンスある感じに、どうしても表現できてしまうのですね。不思議。それにしても「企業価値」なんて、なんと知的なニュアンスを伝えることでしょう💦
アセット・ライアビリティ・マネジメント
ちなみに、上記引用では、直接は触れられていませんが、資産や負債の中身や構成要素において、どのような形が最適なのかを追求する役割もあります。アセットライアビリティマネジメントといいます。
資産と負債の、最適な比率?!企業を運営していく中で(ある程度は実現可能とは思いますが)予め「資産と負債の比率は、このくらいで」と決められるのは、カナリ窮屈。
今はどうか分かりませんが、かつては投資先の企業に「資産と負債の比率をこの程度の範囲で維持せよ」という条件をつけるケースをよく見ました。実際、投資を受け入れた企業はお金を入れてもらうので仕方ない側面からあるとはいえ、やりにくそうでした。「従来の企業運営だけでもシンドイのに、そんなことまで気にしていられるか!」とはくらいの方が多かったかな💦
利益とキャッシュの違いが浸透しない
この永遠とも思われる「利益」と「キャッシュ」は、どう違うか?!という問い💦なかなか、このコンセプトは浸透しないに見えます。逆に言えば、理解しなくても、そこそこやっていける程度の、緊急性はそんなに高くないものなのかもしれません。
では、利益とキャッシュはどう違う?
No.137
会計は「利益」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ」を扱います
これでも、具体的に、何を言ってるのか分かりにくいかもしれません。かなりバッサリ細かいところを無視すると
- 利益→加工多め。お金の出入りをベースに、かなり加工し、さらには、お金の出入例外の要素も反映。
- キャッシュ→加工無し。シンプルにお金の出入り
こう書くと、利益には悪意のある操作性を感じますが、そうではありません。企業の実態を可能な範囲で、帳簿上の「借方」と「貸方」に反映させるために、いろんな工夫がなされてきたもの。例えば、加工無しの「キャッシュ」のケースを。
どこかおかしい「キャッシュ」ベースの儲けの計算「結果」
<前提>
- 商品引渡し額100円(その代金の受け取りは後払いなのでゼロ)
- 商品仕入額50円(即払い)
- 工事設立費用50円(即払い)
- 業績は好調。
<お金の出入りをベースに計算>
- 売上→代金もらっていないので、ゼロ。
- 売上原価→50円
- 工事設立費用→50円
- この期間の利益→0-50-50=マイナス百円。
業績が好調だったり、その後の見通しを明るい場合、設備投資とか積極的な行動にでる企業さんは多いと思います。しかし経営成績は大赤字。
さすがに、おかしい💦さらに、この企業に投資を考えていた投資家も、どう考えても成長性のある企業なので投資したいのですが、大赤字だとちょっと💦
「キャッシュ」ベースの儲けの計算の問題点を克服する「利益」
<前提>先ほどと同じ。
- 商品引渡し額100円(その代金の受け取りは後払いなのでゼロ)
- 商品仕入額50円(即払い)
- 工事設立費用50円(即払い)
- 業績は好調。
<お金の出入り「以外」も考慮して計算>
- 売上→代金もらっていないが、「商品引渡し」という実態に注目して、100円。
- 売上原価→50円(変更無し)
- 工事設立費用→工場は10年間継続的に事業推進に貢献してくれる見込み。かかった費用は、貢献してくれる10年間に「フェア」に配分。50円➗10年=5円
- この期間の利益→100-50-5=45円の黒字化!!
投資家としても、納得の数字かも。そして、これは「会計」上の数字です。「利益」。
「利益」と「キャッシュ」が乖離してくるのは、それはそれで問題ですが💦
No.145
黒字倒産というのは、利益は出ているのに(すなわち黒字である)のに、会社にキャッシュがなくて、倒産に追い込まれるという、笑うに笑えない現象です
「倒産」というのは、ある種「判断」です。とりあえずキャッシュがあって、仕入先が商品を売ってくれり、銀行に借入金の返済が出来ているうちは、倒産しないで済みます。
一方、キャッシュがなくなり、売るための商品も手に入らず、銀行からの取り立ても厳しく、普通の企業活動が出来なってしまったと「判断」された時に、「倒産」手続きをとることになります。
企業関係者を惑わせる「利益」と「キャッシュ」の乖離
こういう事態をさすがにまずいと思い始めた人が多くなったのか、この改善策として
「キャッシュフロー計算書」
というのが、導入された経緯あります。
- お金の出入り(キャッシュ)をベースに企業活動をしていて↓
- それでは企業活動の実態が分かりにくいから「利益」を用意↓
- でも「利益」だけだと大きな弊害があるので↓
- 「キャッシュ」が明確な「キャッシュフロー計算書」を導入
堂々巡り感はありますが、こういう経緯らしいです💦
また、次回。
#ザックリわかるファイナンス
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